八千代台フォトコンテスト2021
全体講評
特別審査員
会田正裕(プロカメラマン)
八千代台の街を歩いていても、ご挨拶したことがない知らない方と多くすれ違います。
しかし、こうして応募された写真を見ると、多くの方と知り合い、はじめましてと挨拶した気になりました。
季節の変化やちょっとした瞬間の美しさを共感できる幸せや、同じ道を通るだけの共通点が素晴らしいつながりだと感じるものですね。
応募された写真はすべてが心で撮られた素晴らしいものばかりでした、その心に思いを巡らせて楽しく審査をさせて頂きました。
フォトコンテストが街自慢の作品集となってゆくのが楽しみです。
特別審査員
岡田智秀(日本大学まちづくり工学科教授)
まずはじめに、この短期間で56作品もの応募があったことにたいへん嬉しく思っているところです。
事務局ならびにご関係の皆様方のご尽力に、心より敬意を表するとともに、厚く御礼申し上げたいと思います。
加えて、56作品のどれもが素晴らしい内容であり、何度も何度も見直す中でようやく選定が完了するに至りました。嬉しい悲鳴でありました。
特に、子供部門の作品はどれもが秀逸でした。
かつて八千代台の皆様とワークショップを行った際の文化度の高さに、再び触れることができたフォトコンになったと実感し、来年以降も継続的に取り組んでいただくことを切に願う次第です。
最優秀賞Best Performance Award
ウユニヤチヨダイ
〜雨上がりの世界〜
おなまえ | 後藤 理沙 |
撮影場所 | 八千代台小学校の近くにある歩道橋 |
撮影年月 | 2021年6月23日 |
写真の説明 | 雨上がりの水の輝きや反射が綺麗だと思い、歩道橋と水溜りを組み合わせた構成で撮影しました。普段、見ている景色を違った角度で見ると新しい発見ができる楽しさを伝えています。 |
審査員コメント
八千代台小学校の通学路にもなるこの歩道橋は、「八千代台まちづくりプロジェクト」の中で「老朽化が進む通学路の歩道橋」として改善点として挙げられ、メンテナンスが遂行されたものです。そうした修繕後の清潔感あふれる歩道橋の姿が、梅雨の雨上がりの水たまりに「倒景」として映し出され、それを上下反転するように描写した美しくもユニークな構図となっています。
優秀賞performance award
異次元の入り口かも?
おなまえ | あゆみん |
撮影場所 | 八千代台駅 |
撮影年月 | 2021年5月6日 |
写真の説明 | 日曜日の朝。 yachirockでお掃除参加した帰り。 朝日の差し込みかたとか、ちょっぴりレトロな色がタイムトンネルのようだったので |
審査員コメント
早朝からの美化活動、頭が下がります。見慣れた渡り廊下が早朝の一瞬に輝いている特別な瞬間を清々しい気持ちで写真に収めて頂きました、その場にいるような臨場感が伝わってきました。
愛されるおじさんの本の家
おなまえ | hiro22 |
撮影場所 | 八千代台西1丁目 |
撮影年月 | 2021年5月31日 |
写真の説明 | 写真を撮っていると二階も撮ってよ〜と店主のおじさんが出てきてくれ、一回の外観ばかり撮っていた私に2階の趣の良さを感じさせてくれた一枚。 下駄を履いたおじさんの足音と共に思い出の一枚。 |
審査員コメント
西口といえば、地元民が「文教」を誇るエリアであり、それを体現する「古本祭り」がにぎやかに開催されるエリアでもあります。このエリアが標榜する「文教」を象徴づけるワンシーンがこの作品によく表れています。新進のチェーン系のブック店ではなく、八千代台らしい「昭和の面影」を色濃く残す「まちの本屋さん」が魅力的に表現された作品です。
富士山の見える街~八千代台~
おなまえ | 高い橋 |
撮影場所 | アピアから八千代台駅へ向かう渡り廊下 |
撮影年月 | 2021年1月10日 |
写真の説明 | 天気のいい日は、八千代台からも富士山が見えることがあります。 今は、同じ場所からは見えなくなってしまいましたが、美しい富士山が見られることは、八千代台の街の魅力の一つだと思います。 |
審査員コメント
富士山を描写した応募作品が複数見られた中で、この作品は、京成八千代台駅西口を特徴づけるグリーンカラーのオーバーブリッジをさりげなく映し出しており、それが八千代台という場所性を明快に伝えています。こうした近景の八千代台と、遠景の富士山をつなぐこの構図は、この場所でしか獲得できない魅力が描写されています。
樹海!?
おなまえ | ゆうこりん |
撮影場所 | ユアエルム屋上 |
撮影年月 | 2021年6月18日 |
写真の説明 | ユアエルム屋上から撮った写真。 高い場所から見るとゴルフ場が樹海のように広がっており、普段過ごしているこの街が違う街のように感じた。 エモい。 |
審査員コメント
ユアエルムの屋上は景色が良くて穴場スポットですね。新緑の輝く緑と優しい空の青、濃いピンクのビルがまるでハイビスカスのように見えました。当たり前のように見える景色ですが、いつもそこにあるわけではありません、素晴らしいタイミングで捉えた美しい写真ですね。
大切な生活活動線
おなまえ | ぴっ |
撮影場所 | 八千代台地下道 |
撮影年月 | 2021年1月10日 |
写真の説明 | 知人が撮影している風景を撮影させてもらったものです。撮影日は平日の日中にも関わらず人通りがとても多く、八千代台に住む人にとってこの地下道は昔も今も変わらず大切な生活活動線なのだと改めて実感しました。 |
審査員コメント
いわずと知れた京成八千代台駅の東口と西口をつなぐ地下道。それを撮影する人物とスマホを背後からさらに撮影するというユニークな構図において、地下道の実態をぼかしてスマホ画像でシャープに写し出すという工夫を高く評価しました。この駅地下道は「八千代台まちづくりプロジェクト」の中で価値が見いだされ、地元住民による清掃活動や、地元小中学校の工作・美術品等の展示など、地域に親しまれる空間になっています。ですので、この作品タイトル「大切な生活動線」はよく言い当てているとも思います。
コーヒーとバスとボーリング
おなまえ | ハイジ |
撮影場所 | 喫茶フジ |
撮影年月 | 2021年6月10日 |
写真の説明 | 純喫茶でモーニング 眺める風景 |
審査員コメント
「アイスコーヒー」「京成バス」「ボウリング」、八千代台の開拓がはじまった「昭和」を象徴づける3要素が同時に描写された八千代台ならではの構図である。「八千代台のあゆみ」として後世に残したいワンシーンです。
出発地点
おなまえ | えいちゃん |
撮影場所 | 八千代台北11丁目公園前の歩道橋から |
撮影年月 | 2021年6月27日 |
写真の説明 | 自然豊かな公園、閑静な住宅街等素敵な風景を楽しむことができました。そんな八千代台で育った方が旅立つ時きっとこの電車を利用するのだと思い、思い出になるであろうこの電車の写真を選ばさせていただきました。 |
審査員コメント
八千代台は東京へ通勤する人のベットタウンと言われてきました。京成電車も通勤のイメージが強かったのですが、旅立ちと聞きハッとしました。駅も電車も、確かに多くの旅立ちに立ち会ったのですよね。望遠で画面いっぱいに捉えた力強い写真は旅立ちにエールを送っているようです。
ボクの通学路
おなまえ | 和田 皐希 |
年齢 | 10才 |
撮影場所 | 八千代台東三丁目バス停付近 |
撮影年月 | 2021年6月29日 |
写真の説明 | 毎日八千代台東小まで通っている通学路を撮りたかったのと、ぐるっと号の形が好きなので、両方写るように撮りました。 |
審査員コメント
至ってシンプルな構図ですが、タイトルからこのワンシーンが少年の原風景になるであろうことを予感させてくれます。レトロな京成バスとレトロなバス停の看板、そして東地区と一目でわかる手作りベンチ、この3要素がすべて揃うことで東地区らしさが象徴づけられるのですが、この作品はそれが素直に描写されており、東地区を知る人たちには心に染み入るワンシーンになるでしょう。
ぼくらの町を僕らを乗せて
おなまえ | りゅうあ |
年齢 | 9才 |
撮影場所 | 京成サンコーポ階段にて |
撮影年月 | 2021年6月29日 |
写真の説明 | 八千代台で一番高いマンションの上から、八千代台北(東も少し)の住宅の風景を撮りました。八千代市の中でも大きな駅の八千代台に向かう京成電車と共に☆ |
審査員コメント
八千代台の生活を支える京成線が八千代台の街なかを貫くシーンですね。八千代台エリアの開拓は、京成八千代台駅の開業とともに始まり現在に至っています。描写された個々の住宅には日々の喜怒哀楽が繰り返される中で、決まった時間に決まった電車が八千代台を往来します。八千代台で日々変化する人々の暮らしと、その暮らしを時刻表通りに支える安定した京成線とのコントラストに魅力を感じる作品です。
朝焼けの希望が丘
おなまえ | 金野 晃 |
撮影場所 | 東南公民館 |
撮影年月 | 2021年6月9日 |
写真の説明 | コロナ禍で大変ですが、希望を持って生活して行こうと、私達の地元である「希望が丘」から朝焼けを撮りました。 |
審査員コメント
八千代台にこんなところあったっけ?と思わせられるほどの美しい朝焼けのグラデーション。そして坂の道は、長く続いているような期待感を感じ、その先には綺麗な街並みがシルエットとしてくっきりと写っています。まさに希望が丘のタイトル通りの「希望」を彷彿とさせる構図です。静けさの中に温かみを感じる素敵な作品です。
駐輪所のおじちゃん
おなまえ | 原田 捷子 |
撮影場所 | 八千代台駅 |
撮影年月 | 2021年4月26日 |
写真の説明 | 毎日声をかけてくれる駐輪所のおじちゃんたち。 シルバー人材の方たちです。 素敵な笑顔から地域の目、見守り、繋がりなどが少し感じられました。 |
審査員コメント
八千代台の今を魅力的な視点で捉えた素晴らしい写真です。少年の影が表情以上におじさんへ語りかけているようです。
おじさんの笑顔、荷物いっぱいの子供の姿、距離感や白黒での撮影。すべてが素晴らしい、お見事です。
最近やっと整備と塗装が完了して、小学生が渡るにふさわしい美しい姿になったばかりの歩道橋ですね。
水たまりに美しく反射しているところを見逃さず、最高のアングルとタイミングで捉えることができて素晴らしいです。世界的に有名なウユニ湖に例えたくなる気持ちがよくわかります。